フィトンチッドとは

フィトンチッドとは、植物が傷つけられた際に放出する殺菌力を持つ揮発性の物質のことです。

テレビなどで耳にする場合にはフェトンチッドと聞こえている方も多いのではないでしょうか。
正しくは、フェトンチッドではなくフィトンチッドです。 
これでインターネットで検索すると検索結果が大きく違うことと思います。

フィトンチッドは「植物」を意味する「Phyto」と「殺す」を意味する「cide」から作られた造語です。
身体に良いという意味でマイナスイオンと同様に会話中にも出てくるかもしれませんが
結構恐い言葉が組み合わせてあるので驚かれることでしょう。


フィトンチッドは他の生物に対して攻撃的に作用するわけですが、人体に対しては有益です。
わたしたちの生活に広く有用であることが経験的によく知られていました。
フィトンチッドをわたしたちの身近な暮らしのなかに取り入れることによって、さまざまな
効用が得られるのです。  
フィトンチッドがもたらす効果は、大きく分けて次の3つが挙げられます。

・リフレッシュ効果
 森林浴の爽快感、自律神経の安定に効果的と言われています。
 肝機能を改善したり快適な睡眠をもたらすことも知られています。


・消臭、脱臭効果
 森へ行くと悪臭の原因となる動物の死骸や枯れた木などがあるにもかかわらず、
 爽やかな空気が広がっています。
 森には空気を浄化したり、悪臭を消す働きがあるのです。
 こうした消臭作用は身近な生活臭にも効果的です。


・抗菌、防虫効果
 食品への防腐、殺菌、部屋や浴室のカビ、家ダニなどへの防虫にも効果的です。
 抗菌作用は、人体に影響する病原菌にも有効です。
 人体に安全な天然物質ですから、穏やかに作用し副作用の心配がなくもありません。


フィトンチッド成分は古くは木造建築物にも利用されています。
日本では、昔から木造建築が主流です。
有名な『法隆寺』などは、ヒノキが使用されております。

ヒノキは、伐採されてからも強度を増すことで有名ですが、ヒノキチオールという特有の
フィトンチッド成分が発せられていて強い殺菌作用や防虫能力で建造物を守っていることで
知られています。

ヒノキを使用して作られた建築物は、独特の木の香りがしますよね。
ヒノキのお風呂を好む方も多いですが入浴中にヒノキの匂いを嗅ぎながら入ると格別です。
それらがヒノキのフィトンチッド成分です。

また、ヒバやヒノキ、スギなどの木材を使うのは、木が放出するフィトンチッドに白アリ、ダニ、
蚊、カビなどを寄せつけない成分があるからなのです。
先人の知恵は凄いですよね。 科学根拠は後から付いてきています。


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